武士の一分

武士の一分

パーソナリティー斉藤洋美が山田洋次監督作品。木村拓哉主演、檀れい、笹野高史、緒形拳共演の映画『武士の一分』を紹介。


〈ストーリー〉

藩主の毒味役をつとめる下級武士・三村新之丞(木村拓哉)は、最愛の妻・加世とつましくも笑いの絶えない日々を過ごしていた。

しかし、毒味役の毒に当たり失明してしまった日から、その平和な日々に暗雲がたちこめてくるのであった。

自害しようとする夫をやっとの思いで留まらせ、夫のためと番頭(坂東三津五郎)の口添えを得ようとした妻は、罠にはまり・・・、身を捧げてしまう・・・。

それを知った新之丞は・・・。


〈Hiromi’s Eye〉

ズバリ!ラブストーリーです。夫婦の愛の物語です・・・。
慎ましく、四季折々の風や風景を感じながら日々生きていくことが、本当に幸せ。
大切な人が、愛する人がそばにいてくれる・・・それだけで幸せ。
そんな、ささやかだけれど、人間として一番大切なものは何かを教えてもらえる作品です。

そして、そのささやかな幸せが奪われた時・・・
武士は妻のため、愛のために剣を抜くんです。
名誉や地位のためでなく、武士の一分のために剣を抜くんです。
これぞ本当の武士魂!ステキです。

この作品を観て、山田洋次監督が、木村拓哉さんに惚れてしまった理由が分かったような気がしました。
清々しさ、潔さ、少年のようで、男らしい・・・なんだろう、美しい人・・・でした・・・本当に。

そうそう、夫婦愛には美味しい手料理が欠かせないということも教えてもらえます。
これ、一番大切かもしれません・・・。


〈みどころ〉

  • 木村拓哉さんの目力。
    目が見えていた時、盲目になった時の目の違いに注目です。
    盲目になってからの、目力の迫力・・・鬼気迫るものがありました。
    魂の叫び・・・苦、悲、喜、切なさが盲目の瞳に映し出され、声なき声を聞く思いがしました。
  • 復讐へと向け、周りの反対にあおうと、盲目の中、剣の腕を磨く術。
  • クライマックスの盲目での決闘のシーンは、何度も唾を飲み込むほど、観る側も緊張しました。
    そしてその凄味と殺気すら感じる新之丞の殺陣の中に、愛を感じてしまったのだけれど・・・私。
  • 山田監督が描く、四季折々の風景。
    風の音、小鳥のさえずり、日差しの温かさ・・・
    日々の暮らしの愛おしさが、さりげなく描かれています。

〈お気に入り〉

  1. 新之丞と中間(ちゅうげん)の徳平(笹野高史)とのやりとりが最高に温かくて、楽しい。掛け合い漫才でも観ているかのようでした。
  2. 新之丞が盲目になってから剣術の師匠(緒形拳)に手合わせ願うシーン。
  3. ラストシーン・・・感動です。

監督:山田洋次
脚本:山田洋次、平松恵美子、山本一郎
原作:藤沢周平
出演:木村拓哉、檀れい、笹野高史、桃井かおり、坂東三津五郎、緒形拳、小林稔侍
音楽:冨田勲
製作年:2006年
製作国:日本
日本公開:2006年12月1日
配給:松竹
上映時間:121分