ブロウ

ブロウ

パーソナリティー斉藤洋美がジョニー・デップ、ペネロペ・クルス主演の実話をもとに映画化した『ブロウ』を紹介。


〈ストーリー〉

実話です。
「ブロウ」とはマリファナ、コカイン等ドラッグ吸引を意味する俗語。
また、深い意味では人生の満開状態であり、奈落への運命の一撃も意味しています。

これは、コカインによって、全米を支配した男ジョージ・ユング(ジョニー・デップ)の伝説が明かされた作品です。

ジョージ・ユングという男のトラウマにもなった少年時代、大金持ちになりたいとカリフォルニアへ渡り、過ごしたハッピーな青年期。
そして、マリファナに出会い、大金を儲け、そして更に・・・、コカインに・・・。

金、名誉、権力、女・・・、1970年代にアメリカの裏社会のキングに昇りつめたユング。
しかしそんな全てを手にしたように見えたユングを待ち受けていたものとは・・・・。
そして本当にユングが求めていたものとは・・・・。


〈Hiromi’s Eye〉

麻薬が扱われている作品は数多くあるけれど、この「ブロウ」は今までの、麻薬映画とは全く違う作品です。

麻薬というものに一生を翻弄されてしまったひとりの男の人生が描かれています。

そこには、絶望、夢、家族愛、夫婦愛が満ちています。
幼い頃、父親が一生懸命働けど、貧乏な生活に追われ、母親は父親を罵るという光景を嫌というほど見せられた少年ユング、絶対に、大金持ちになってやると・・・。

そんな幼い頃の環境がこんなにも人生に影響されてしまうものなのか・・・。
ユングが本当に求めていたものは、温かな家庭なのでは・・・。と思う時、胸がとっても締め付けられました。
家族に喜んで欲しいから、大金を・・・。でも、その想いは家族には届かない・・・。

どんどん、落ちてしまう。せつないね。

アメリカンドリームって何なのだろう・・・。人間にとって何が一番大切な物なのか・・・、ジョージ・ユングが教えてくれたような気がします。

ユングは今も罪を償う為に刑務所にいます。


〈みどころ〉

実在の人物ジョージ・ユングがまるで乗り移ったかのように演じていたジョニー・デップ。もうカッコイイ!の一言。

ジョニー・デップはジョージの爽やかな青年時代から、年老いて、顔に皺も刻まれ、下っ腹もでっぷりと出て来たぼろぼろの頃までを自然にさりげなく素晴らしく演じていました!
老けてもボロボロになってもステキなの!

褒めすぎ?でも、ジョニー・デップが演じたからこそ、ジョージ・ユングという人間の本質に触れることができたような気がします。眼差しが暖かいのです。

ジョニーは演じるにあたって、2日間ユングと時間を共にしました。そのユングから、「ジョニーはマジシャンか?あれだけの時間でよくここまで理解できたものだ!」と連絡があったそう・・・。

ジョニー・デップはやっぱり凄い~!!(^o^)!


〈お気に入り〉

  1. ユング(ジョニーデップ)が出産のシーンに立ち会うシーン。
    気を失っちゃって・・・、可愛いのです!
  2. 50年代から80年代までのファッション。ジョニーは洋服だけでなく、髪型も忠実に表現してくれています。さらさらのブロンドだったり、ちょっとかまやつさん系だったり楽しめます。
    撮影で使用したカツラは全てジョニーがいただいたそうですよ!
  3. 音楽もステキ!
  4. 音楽は、ローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン、レイナード・スキナード等々で彩ってます。「ラン・ローラ・ラン」で走りまくっていた、フランカ・ポテンテが、ユングの恋人に・・・、また、ピーウィー・ハーマンが、ポール・ルーベンスと名を変えて、デレックというゲイのディーラーに扮しています。ピーウィーも実生活で色々あったもんね!ユングの気持ちがよく分かるかも!

英題:Blow
監督:テッド・デミ
脚本:デヴィッド・マッケンナ、ニック・カサヴェテス
出演:

  • ジョニー・デップ
  • ペネロペ・クルス
  • ポール・ルーベンス
  • フランカ・ポテンテ

音楽:グレーム・レヴェル
製作年:2001年
製作国:アメリカ
日本公開:2001年9月15日
配給:ギャガ・ヒューマックス
上映時間:123分

▼予告編