ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
パーソナリティー斉藤洋美がトム・ハンクス主演作品『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』を紹介。

(C) 2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC


〈ストーリー〉

ある日突然、愛する大切な人を奪われてしまったら…
どうやって生きていけばよいのでしょう。
どうやってその苦しすぎる悲しみを乗り越えていったらいいのでしょう…。

11歳のオスカー(トーマス・ホーン)は、とても感性が強く好奇心がたくさんあると同時に、怖いものが山ほどあり、人との関わりも苦手。そのオスカーの一番の理解者だった父親(トム・ハンクス)。そしてその二人を温かく見守る母親(サンドラ・ブロック)。オスカーはそんな父親と一緒に調査探検ごっこをするのが大好きだった。

しかし、9・11アメリカ同時多発テロによって大好きな父親を突然奪われてしまったオスカー。

父親の死をどうしても受け入れられないオスカーは、父親のクローゼットから一本の鍵を見つける。オスカーは、きっとこれは父親が仕掛けた探検ゲームに違いないと、鍵穴を探し当てたら何か父親からのメッセージがあるはずと、母親には内緒で、ニューヨークの街に鍵穴を探す旅に出る…。オスカーにとって、怖いもの、苦手なことが満ちあふれるニューヨークの街に向かって…。

オスカーは、一つ一つの試練を越えられるのか…。
そこで出会ったものは?
鍵の真実は?
そしてオスカーが見つけた奇跡とは…。


〈Hiromi’s Eye〉

人は誰でもいつか必ず愛する人との別れがくるんですよね。
それは、ものすごく苦しくて、悲しくて、辛くて、どうしようもないこと…。
でも、この作品を観終わった後、そのどうしようもない苦しさを越えることができるかもしれない…人間にとってのあらゆる悲しみを乗り越えられるかもしれない…そして、その苦しみ、悲しみが転じて、いつか大きな温かさや希望に変わるかもしれない…と、何か大きな温もりにハグされた思いがして、涙が止まりませんでした。

怖いものだらけのオスカー少年の勇気ある行動から…「勇気ある行動」…言葉にするのは簡単だけれど、それがどれほど大変なことか、オスカーの震えるような勇気がじんじん伝わってきて、行動を起こすこと、一歩踏み出すことが、どれだけ人の心を動かすのか…。

オスカー、愛とハグをありがとう。
そして、私からもいっぱいのハグをおくりたい…。


〈みどころ〉

オスカーにとって怖いもの、それは橋であったりブランコであったり、人との関わりであったり、そんな山ほどある怖いもの苦手なものに対し、父親のメッセージか隠されているかもしれない鍵穴を探すために、震えながらもそれらに勇気を振り絞って立ち向かうオスカー。
それらの前で、足がすくんでしまう時のために、オスカーはいろいろものをお守りのようにバックパックに詰めて出かけます。

まるでそれらは、オスカーにとって、怖いものから身を守る、いや怖いものを倒すための鎧兜のようなもの。ガスマスク、タンバリン、ダクトテープ、双眼鏡、調査探検ノート、祖父のカメラ、犬笛、スティーブン・ホーキング著「ホーキング宇宙を語る」、携帯電話、フィグ・ニュートンズ(乾燥させたイチジクをクッキー生地で包んだ焼き菓子)そして、父親が「探すのはやめない」という文字に赤い丸をつけた新聞の切り抜き…。

そのオスカーにとってとても意味のあるひとつひとつを携えながら、オスカーが恐怖や苦しみを必死に乗り越えていくその姿は、知らないうちに自分の心の奥の奥にしまい込んでいた悲しみや苦しみをほどいてくれる感覚に包まれてきました。突然愛する人を失った喪失感とその息子の間に苦悩しているオスカーの母親、そして、おばあちゃん、間借り人、NYでオスカーに出会った人たちがそうであったように…。

改めて、子供の想像力、思いもかけない行動力から助けてもらうことが多々あるのだと、そして、大人が思っている以上に子供たちは心が傷つき、でも、人の心の痛みを理解し癒すことのできる温かな力をもっているということを教えてもらいました。

誰しも人はみな、心の中に悲しみを抱えているのです。その多くの人の悲しみを知り、シェアすることができたら、ハグすることができたら、それは大きなぬくもりのある生きる希望に変わっていくのではとメッセージをもらいました。


〈お気に入り〉

オスカーの父親に扮したトム・ハンクスの息子を見つめる温かな眼差し。母親に扮するサンドラ・ブロックの母親の魂の震えが伝わってくる演技。

オスカー役に抜擢されたトーマス・ホーン君はクイズ番組に出演して勝ち残ったところをスカウトされたという初デビュー作品。初めてとは思えないトーマス君の奇跡のような演技力。

オスカーがニューヨークの街で出会う人々…。
そして、おばああちゃんと間借り人…。
みんな愛おしくて、本当にステキ。


▼声で紹介


英題:EXTREMELY LOUD AND INCREDIBLY CLOSE
監督:スティーブ・ダンドリー
脚本:エリック・ロス
出演:トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、トーマス・ホーン、マックス・フォン・シドー
音楽:アレクサンドル・デプラ
製作年:2011年
製作国:アメリカ
日本公開:2012年2月18日
配給:ワーナー・ブラザース映画
上映時間:128分

▼予告編