文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を2度にわたり受賞している漫画家さそうあきらによる同名作品の映画化。「時をかける少女」(2010年版)、中京テレビ開局45周年記念ドラマ「マザーズ」の谷口正晃監督。主演・井之脇海、松本穂香、山崎育三郎が熱演した作品『ミュジコフィリア』をパーソナリティー斉藤洋美が紹介。
(C)2021 musicophilia film partners (C)さそうあきら/双葉社
〈ストーリー〉
京都の芸術大学に入学した漆原朔(さく:井之脇海)。入学式当日、ひょんなことで自分は美術学部に入学したにも関わらず、「現代音楽研究会」のサークル・イベントに巻き込まれてしまう。そこには朔が憧れていた幼馴染のヴァイオリニストの小夜(川添野愛)がいた。
実はこのサークルを立ち上げたのが世界的に著名な作曲家 貴志野龍(きしの・りゅう:石丸幹二)の息子で天才作曲家として期待される貴志野大成(きしの・たいせい:山崎育三郎)だった。そのことを知った朔はこのサークルへの入会を拒む。なぜなら大成は朔の義母兄だったのだ。兄は本妻の子、朔は妻がありながらも別の女性との間にできてしまった子、という扱いで朔の母親はチェリストとしての道を諦めて一人で育ててきたのだ。
そのため、子供の頃から色や形を「音」として感じる才能を持ちながらも父と兄へのコンプレックスから音楽を憎んできた。
鴨川の花見の後、鴨川沿いに置いてあったピアノを思わず即興で奏でてしまったその朔のメロディー。そのメロディーを聴いてしまったピアノ科の凪、先生によってその才能が開花してゆくのだが・・・兄との関係は?音楽への想いは?そして父が持っていたある曲への想いとは?
〈Hiromi’s Eye〉
京都が素晴らしく描かれていますが、その中でも重要文化財の「泉涌寺(せんにゅうじ)」の仏殿の前でステージを組んで演奏するシーンは素敵でした。
その泉涌寺には初めてカメラが入ったとのことでした。
また、山縣有朋の別邸としても有名な「無鄰菴(むりんあん)」の庭も素晴らしかったです。
「作曲は庭造りと似ている」という言葉もありました。
さらにこの作品には京都ゆかりの方々が少しだけ出演しています。どなたがどこのシーンに登場するのか、探してみるのも楽しいかもしれませんね。
監督:谷口正晃
原作:さそうあきら
出演:
- 井之脇海
- 松本穂香
- 山崎育三郎
- 添野愛
- 阿部進之介
- 石丸幹二
- 濱田マリ
製作年:2021年
製作国:日本
配給:アーク・フィルムズ
上映時間:113分
2021年11月19日(金)ロードショー
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