パーソナリティー斉藤洋美がジョン・タトゥーロ主演映画『愛のエチュード』を紹介。
〈ストーリー〉
天才チェスプレーヤー、ルージーン(ジョン・タトゥーロ)が生涯をかけた勝負となる世界チェス選手権に出場する為に北イタリアのコモ湖畔のリゾート地にやってくる。
髪はボサボサ、服はヨレヨレ、ズボンのポケットは穴だらけ・・・、思いついたチェスの技をすぐメモするために、古ぼけた手帳を肌身離さず持ち歩き、目は宙を泳ぎ・・・。
そんな、チェスのこと以外全く眼中になかったルージーンが、このリゾート地に休暇に来ていた美しいロシア人の女性ナターリア(エミリー・ワトソン)と出会い、一瞬にして恋に落ちてしまう。
今まで、チェスのことしか頭になかったルージーン。
そのあまりにもピュアな彼の想いに惹かれていくナターリア。
しかし、あまりにも純粋すぎるため・・・・・。
人生を託したチェスに人生をむしばまれようとは・・・。
そして、ラストをあなたはどう受け止めますか?
〈Hiromi’s Eye〉
秋が近づくとちょっと大人のラブストーリーが観たくなります。
この作品はピュアで切ない大人のラブ・ストーリーです。
原作はあのロリータコンプレックスを生み出した「ロリータ」のロシアからの亡命作家ウラジミール・ナボコフの幻の初期の傑作「ディフェンス」。
監督は「アントニア」でアカデミー賞外国語映画賞を受賞した女流監督マルレーン・ゴリス。
主演は個性的な役を演じさせたらピカいちの「バートン・フィンク」のジョン・タトゥーロ。共演は「奇跡の海」のエミリー・ワトソン。
天才とはこういうものなのか・・・。
純粋って・・・こんなに壊れやすいものなのか・・・。
クリスタルでできたチェスの駒のような繊細な心を持つルージーンを支えるナターリアの強さ。
どんな反対に会おうと愛を貫く美しさ。
ルージーンの少年時代の様々なトラウマと、チェスへの情熱、ナターリアへの想いが、美しい風景をバックに交差していく映像のコントラストは、ルージーンの精神世界へズリズリと引き込まれてしまいます。
すごいよ!
〈みどころ〉
舞台となっているコモ湖畔の風景。
めちゃくちゃ美しい。どこを切っても一枚の絵画を観ているようでした。
ここは、何を隠そう古代ローマ時代からの高級リゾート地。
花いっぱいの庭園、オリーブ畑、中世のお城、等々・・・。
特にヴィスコンティの別荘が実際に撮影で使用されています!必見よ!
〈お気に入り〉
2001何と言っても、主演のジョン・タトゥーロの演技!
妙なんだけれど、その妙が母性本能をくすぐっちゃって、決して見た目はカッコ良くないんだけれど、惹かれるの~!!
ピュアすぎる愛の告白や、ダンスのシーンはもうたまりません。
英題:The Luzhin Defence
監督:マルレーン・ゴリス
脚本:ピーター・ベリー
出演:
- ジョン・タトゥーロ
- エミリー・ワトソン
- ピーター・ブリス
- ジェラルディン・ジェームス
音楽:アレクサンドル・デスプラ
製作年:2000年
製作国:イギリス
日本公開:2001年9月1日
配給:The アミューズピクチャーズ
上映時間:109分
▼予告編