パーソナリティー斉藤洋美がジム・キャリー主演映画『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』を紹介。
〈ストーリー〉
ボードレール家のヴァイオレット・14才(エミリー・ブラウニング)、 クラウス・12才(リアム・エイケン)、サニー・1才未満(カラ・ホフマン、シェル ビー・ホフマン) は賢い三姉弟妹。
長女のヴァイオレットは天才発明家、長男のクラウスは読んだ本は全て暗記している程の本の虫。
次女のサニーは噛むことが大好き。どんなものでも一度噛んだら離さない。
この幸せに暮らしていた三姉弟妹に突然襲いかかった不幸・・・。
それは自宅が全焼し、両親が焼け死んでしまったのです。
巨額な遺産はヴァイオレットが成長するまで使えず、身寄りのない三人は遠縁のオラフ伯爵(ジム・キャリー)に預けられることに・・・。
しかし、謎の洋館に住むオラフ伯爵はなんとも強欲の悪人・・・。
さあ、これから三人に襲いかかる、これでもか~、これでもか~という不幸せな出来事に、三人は智恵と勇気をどう駆使して乗り越えていくのでしょうか~!
〈Hiromi’s Eye〉
あの大ベストセラー「ハリーポッター」に続くベストセラー児童書 「世にも不幸せな出来事」シリーズの映画化です。
全十三巻、各十三章という不吉だらけのこのシリーズは、 幸せだった三姉弟妹が、これでもか~!これでもか~!と
不幸な目にあうというストーリー。
作者のレモニー・スニケット(かつて覆面作家と騒がれたこともあるちょっと変な人。
現在では作家ダニエル・ハンドラーのペンネームだったと判明!)が冒頭で、 「あまりにも不幸な話なので、ハッピーエンドを読みたい読者はこの本を 開かないように。」と書いています。
そんなふうに言われるとよけいに読みたくなるのが人間というもので・・・。
映画の冒頭も、同じように・・・。
「不愉快な思いをしたくない人は、他の映画をお薦めする・・・。」と始まります。
そんな冒頭から、もうレモニー・スニケットの罠にはまるかのように、その不思議な世界へグングンと引き込まれてしまうこの作品。 不幸せな出来事だらけの三姉弟妹が、 どんな不幸に襲われても、智恵と勇気で乗り越える、 ハラハラドキドキ、まさしくファンタジーアドベンチャームービーに 仕上がっています。
それにしても、出てくる大人達はへなちょこか強欲で 最悪な人ばかり。
大人なんか頼りにならないよ。
自分達でどんなことも解決しなくちゃ!
と自立心旺盛な三姉弟妹はとってもチャーミング。
そして、最後の最後の最後までステキな演出で楽しませてくれるので
明るくなるまでどうか席を立たないで楽しんで下さいね。
〈みどころ〉
- 映画の始まりと終わりの演出がステキ。
ハードカバーのファンタジーの本を開くあのトキメキと、読み終わってもっとこの世界にひたっていたいよ~!というなごり惜しいような気持ちをステキな演出で味あわせてもらえます。 - 映像、美術、衣装。
一瞬にして、ファンタジーの世界に連れていってもらえます。
映像全体が、セピアカラーのような、ブルーグレイのような・・・。
美術や衣装が、ヴィクトリア調のようで、でも違う・・・。
この世にありそうでないようなファンタジーの世界に誘ってもらえます。 - オラフ伯爵に扮するジム・キャリーの変化ぶり。
- ジュード・ロウが、ストーリーテラーとして登場するレモニー・スニケットの声に扮しています。
〈お気に入り〉
三姉弟妹、の一番下のサニー。
どんな不幸せに襲われても、絶対泣かず、ヘラッとしていて可愛い!キュート!
どんなものも噛むという特技を生かし姉兄を助け大活躍。
まだ1才未満なので、言葉としては意味不明な奇声!?を発するんだけれど、そこにちゃんと、字幕スーパーで、サニーが発した奇声の意味が出てきてもう最高!でした。
ちなみにサニーは双子が演じています。
英題:Lemony Snicket’s a Series of Unfortunate Events
監督:ブラッド・シルバーリング
脚本:ロバート・ゴードン
原作:レモニー・スニケット
出演:
- ジム・キャリー
- メリル・ストリープ
- リーアム・エイケン
- ダスティン・ホフマン
- ジュード・ロウ(声の出演)
音楽:トマス・ニューマン
製作年:2004年
製作国:アメリカ
日本公開:2005年5月3日
配給:アスミック・エース
上映時間:109分
第77回 アカデミー賞(2005)
- 最優秀メイク・アップ賞
▼予告編